板金加工とは?

板金加工とは金属の板を切ったり、曲げたり、くっつけたり、穴をあけたりとしながら形にしていく加工の事を言います。

 

加工の工程としては、板材の切断・穴あけや外形加工を行うブランク加工、

折り曲げを行うベンダー加工、それらの加工を一つの金型で行うプレス加工、

部材と部材を溶接やスポット溶接で組みつけていく組立などがあります。

 

被加工材も他の加工では見られないような素地のままのものから、

表面処理を施したもの、例えばステンレスのミガキ材、塩ビ鋼板等、

それに特殊なものでは金属と非金属の接合されたもの(制振鋼板)等様々です。

 

■被加工材

1.鉄鋼系―冷間圧延鋼板・熱間圧延鋼板・ステンレス鋼板・表面処理鋼板・その他

2.非鉄系―銅と銅合金・アルミとアルミ合金・その他

3.非金属系―合成樹脂・繊維材料板・その他

 

板金加工の作業手順

板金加工は以下の作業手順で進めます。

1.設計・図面展開
2.抜き加工
3.前加工(バリ取り、タップ加工等)
4.曲げ加工
5.溶接
6.仕上げ
7.表面処理
8.組立

■1:設計・図面展開

設計

板金部品図面の設計そのものは設計者はお客様である場合が多いですが、設計時点から加工のし易さ、コスト、必要精度などを設計に盛り込み、設計者の意図が加工者に伝わるような図面を描くことを心がけるべきです。

図面展開

板金加工・精密板金の図面は基本的に第三角法で書かれているので、これを板金でどう実現するか、平板(平らな金属板)への展開図をイメージします。
平板部品(曲げ加工がない部品)はこの作業は必要ありません。

 

■2.抜き加工

金属板を展開図のように加工するにはNC機を用いて用いて行います。

NC機を動かすためには展開図形を抜くための個別プログラムを作成する必要があります。

 

■3.前加工(バリ取り、タップ加工等)

一つ前の抜き加工では、加工方法によっては切断面にバリが発生する場合もあるので、

後工程と怪我防止の為にもこの時点でバリを取り除きます。

タップ等の加工もこの時点で処理します。

 

■4.曲げ加工

前段加工まで済ませた展開図形状の平らな金属板(平板)を、折り曲げていく工程です。

プレスブレーキなどのベンダー(ベンディングマシン)により、

抜き加工をした平板材所定の位置を、適切な角度に折り曲げ成形していきますが、

曲げ加工は板金加工・精密板金においては最も重要な加工工程の一つになります。

 

■5.溶接

金属同士を溶かして接合させます。

金属板の材質・板厚、組立形状(接合形状)などにあわせて、

適切な溶接方法(突合せ溶接、隅肉溶接、点付け溶接、スポット溶接など)により溶接を行います。

溶接も精密板金・板金加工においては、仕上がり品質に直結する重要な工程の一つですが、

品質の良し悪しは溶接加工者の技量に左右される要素が大きい工程です。
■6.仕上げ

溶接により接合部に盛り上がりができますので、これを平らに仕上げます。

また製作途中で表面に傷がついた物もこの時点で仕上げます。

 

■7.表面処理

めっきや塗装の必要がある製品については、

仕上げまでの全ての加工が完了したこの時点で必要な表面処理を行います。
表面処理は、製品の材質や用途、処理の目的(防錆、装飾・外観の向上、

金属表面への機能付与)により、適切な処理が行われます。

 

■8.組立

複数の部品点数から構成される製品など、完成品としては組み立てが必要となるようなものについては組み立てを行います。